妊娠期の症状①つわり(悪阻)に用いる漢方
妊娠初期の悪阻(つわり)の症状は個人差が大きいですが、症状の重い軽いはあっても辛いものです。
●体重測定をしっかりして、急激に減っているようなら産科の先生に相談を
●はき気を我慢できるようなら我慢して
:あまり嘔吐が続くと、子宮に腹圧がかかり、赤ちゃんと羊水が入っているまあるいお部屋がぺしゃんこに変形してしまうこともあります。あかちゃんが窮屈になってしまいます。
「吐くとすこし楽になるから…」という方もいらっしゃるとは思いますが、頻繁に嘔吐すると、癖のようになって悪阻が長引く事もありますし、栄養も赤ちゃんに届きません。
辛いと思いますが、我慢できるのならば吐かない方がよいのです。
●体を冷やさない(膝・足首も忘れずに!)
体、特に足首・膝が冷えると具合が悪くなることがあります。
足首には三陰交(さんいんこう)、膝には血海(けっかい)といういずれも婦人科のツボがあります。
妊娠中は体に必要な血の量が増えるので(普段は100必要だとすると、妊娠中は120くらい必要と考えて下さい。)、
相対的に血虚(上記の例だと、100あっても120には足りないのでフラフラしたり冷えに弱くなったりします。)になってしまいます。
膝は『肝の器』といって、血が少なくなると膝に負担がかかります。あたためて下さい。
方法は簡単。靴下をはいて、カイロを貼るだけです!
●食べられる物を無理せず。
:ジャンクフードなど体に良くないとされているものが急にほしくなったり…。という事もあると思います。
ずっと続くものではないので、『食べられる物を』無理せず食べるようにしましょう。
●食べ方を工夫する。
いっぺんに食べると嘔吐してしまうことも多いので、小さくしたおにぎりとおかずなど、1日に5回程に分けて食べるのも方法です。
おやつの時間だからといってお菓子を食べても栄養的に偏るので、1日3回のご飯・おかずを5回に分けて…という方が理想的です。
一般的に悪阻時にも食べられるとされているもの(個人差が大きいですが…)
梅干し・炭酸飲料・サイダーの飴・フルーツ・プリン・ゼリー 等 サッパリ系
フライドポテト・焼き芋・ドライフルーツ・クラッカー 等 腹もちがいい系
○炊きたてのご飯のにおいが…という方→ 添加物の少ないパンを選んで、バターやジャムのカロリーに注意しましょう。
○食べづわりの方→ お腹がすくと気持ち悪くなるパターンのつわりです。こまめに腹もちするもの(クラッカー・ドライフルーツなど)をつまんだりして乗り切って下さい。
つわりに用いる漢方薬
■小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)
■晶三仙(しょうさんせん)
■六君子湯(りっくんしとう)
■香蘇散(こうそさん)
■半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 等
吐き気の原因も、胃腸の消化不良などによる場合と、他のストレスによる場合とで用いる漢方も異なりますのでご相談ください。
本人の来局が難しい場合がほとんどかと思いますので、電話相談で後日ご家族が来局していただいても結構です。
◆太田薬局 漢方相談・予約◆ 電話0261-72-5593
※注意 小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯などに含まれる、半夏という生薬は、比較的味に刺激があります。日本の製薬会社で販売しているエキス剤などがよいでしょう。
煎じ薬や、海外で求めた漢方薬の半夏はチカラが強いので、デリケートな妊娠期には向きません。
※飲み方としては、我慢できるようなら出来るだけ飲まない事をお勧めします。
どうしても…の辛い症状の時のみ服用がよいと思います。エキス剤半包で効果がある事も。