眠れない理由
睡眠障害を訴える方は、年々増加傾向にあると感じます。
厚生労働省のデータによると、データのとりかたが違うため年次比較が出来ませんが、平成5年で7万3000人、平成14年で23万6000人、平成17年で34万6000人ほどとなっています。
いわゆる不眠症には4つのタイプがあります。
入眠障害
寝つきが悪く、なかなか眠れない。寝つきに30分~1時間以上かかる。
中途覚醒
朝起きる時間までに、何度も目が覚める。中高年に多い。
早朝覚醒
朝早く目覚めてしまい、再度眠ることが出来ない。
熟眠障害
十分に睡眠時間はとっているが、眠りが浅く、ちゃんと寝た感が得られない。
つまり、単純に「眠れない」方だけでなく、「睡眠はとっているけれど、どうも眠りが浅いみたい」「ちゃんと寝た気がしない」という方も含め、「ちゃんと眠れていない」と感じる状態が継続した場合を睡眠障害といいます。
睡眠時間には個人差がありますが、その方にとって睡眠を十分にとれていないと日中の活動に支障をきたします。学校や職場では眠くなってしまい、勉強や仕事が手につかないといった事や、運転される方はいねむり運転や注意力欠如による事故の心配があります。高齢の方や育児中の方もぼ~っとしてしまい、大なり小なりのトラブルにつながる可能性もあります。
実は一言でいえば、睡眠障害は心とからだのバランスが崩れているため起こるという方がほとんどですが、その他の眠れない理由もまとめて挙げてみましょう。
眠れない理由
環境要因 ・・・ 騒音、温度、湿度、明るさ、寝具の状態、といったもの
肉体要因 ・・・ 持病による痛みや歯(虫歯や抜歯後など)、けがなどによる痛みが原因のもの
精神要因 ・・・ ストレスや不安、気になることがあって落ちつかない場合
その他の要因 ・・・ 薬や刺激物、カフェイン、アルコールの摂取によるもの。全く動かず、からだが疲れていないから眠れない、ということもある(比較的若い方でデスクワークの方に多い)。
環境要因については、個々で工夫及び改善していただく必要があり、
肉体要因については、元となっている病気を究明し、まず病気を治すまたは痛みをとることが重要です。
その他の要因については、薬や刺激物、カフェイン、アルコールの摂取はやめていただき、からだが疲れていなく頭脳労働中心の方は、やはり帰路で、散歩がてら一駅歩くとか、帰宅後にストレッチやヨガをする、といった軽い運動を毎日続けてみてはいかがでしょうか。
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さて、
一番多い精神要因についてですが、中医学では気・血・津液のバランスを重視します。
気とは生命エネルギーの源のこと、体内を循環して五臓を調和し、六腑を潤す役割を担う営気(えいき)や、体表を循環して外からの刺激や邪(ウイルスなど)から体を守る役割を担う衛気(えき)などがあります。
血とは血液のこと、津液は血液以外の体液のことです。
気・血・津液は、いずれかの不足や過剰、また流れが滞ることによって互いに影響してきます。
ストレスや悩み事、心労、心配事、悩み事が長く続くと、まず気の流れが滞り、次に血の流れ・津液の流れも滞ってきます。
眠れない方で、精神要因が強い方は、
気虚(ききょ:気が不足している状態)
気滞(きたい:気の流れが滞っている状態)
が原因かもしれません。
中医学の古典『黄帝内経』には、「老人は夜に熟睡できない、若者は昼間になかなか眠れない、何故か」という問があります。
これに対し「衛気のめぐりと関係がある」としています。
「衛気は活動的な性質があり、昼間は陽経のとおるところをとおり、夜は陰経のとおるところをとおるが、夜に陰経に戻ることができなければ眠ることが出来ない」
つまり、若いうちは衛気の活動がスムーズであるため、昼夜メリハリのある循環が滞りなく行われるが、高齢になってくると気と血の不足により五臓の協調性が悪くなり、流れが滞ってくるため、昼間はうとうとするが、夜は眠れなくなるというわけです。
若い方では、気の流れを改善するだけで済む場合も、高齢の方になれば気と血の不足がそもそもの原因なので、気と血を十分に補ってあげることで、流れを改善させましょう、ということです。
快適な睡眠を!
気は、食べもので作られます。
まずは、気を補う食べものや気の流れをよくする食べものを積極的に採り入れてみましょう。
ただし、食べ過ぎは禁物、腹八分を心がけ、体を中から冷やさないよう加熱して食べましょう。
また、足りない場合や急を要する場合には漢方薬やサプリメントが強い味方になってくれます。
是非、上手に活用してみてください!!
ひとりひとり、もともとの体質や更に他に過不足がある場合は、おすすめの食べものも漢方薬も違ってきますので、お気軽にご相談ください!!
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