アトピー性皮膚炎の特徴と補湿の重要性

1.アトピー性皮膚炎の皮膚の特徴

○ドライスキン

○細胞間脂質のセラミドの減少により皮膚のバリア機能障害

○表皮の角質層が薄い・皮膚表面の形態が乱れている。

○マスト細胞が表皮まで多く分布

※マスト細胞…かゆみの原因となる物質(炎症性物質:ヒスタミン・ロイコトリエン)を出す細胞です。ほかの細胞に比べて大きいので肥満細胞とも呼ばれます(肥満体型の方に多いわけではありません)。

○NMF(天然保湿因子)なども少なく、保湿能力が極めて低下している。経皮水分喪失量(皮膚から潤い、水分が失われていく量)TEWL増加(正常肌の10~30倍)。

2.どうしてアトピー肌・敏感肌の方に保湿が大切なのか?

○アトピー性皮膚炎の二重性

 アレルギー素因+非アレルギー素因(乾燥肌、バリア機能障害)

○保湿剤の使用は炎症の鎮静化につながる

○肌の乾燥が改善されれば同時に再発の頻度が減る   

○回復期:病的肌から美肌へ

塗り薬・飲み薬のほかに、とにもかくにも保湿が必要です。

アトピー性皮膚炎のかたの スキンケア化粧水・クリームの選び方

①赤み・ジュクジュクのある場合

 ジュクジュク滲湿液のでる急性湿疹段階では、火のついたヤカンのよ中に水をいくら足しても無意味なように、スキンケアで一生懸命に補湿をしてもあまり意味がありません。まずはヤカンの火を止めるように、ジュクジュクを赤みをとるような漢方薬と薬液による湿布をして下さい。

★薬液→五行草(ごぎょうそう)などの生薬の入った薬液などを用います。

赤み、ジュクジュクの無い部分はしっかりと保湿して下さい。

↓を参考にして下さい。

②カサカサ・ゴワゴワ肌

浸出液(じゅくじゅく)がなく、赤みも少ない時の保湿ケアこそ大切!

皮膚をしっかりバリアすることで、再発の頻度がぐんと減ります。

★化粧水→かゆみもあるでしょうから、化粧水はグリチルリチン酸など炎症を抑える成分の入ったもの、炎症をおさえるとされる生薬の入った化粧水をたっぷり使用して下さい。

★クリーム→アトピー肌に良いといわれているシソの葉エキス配合のシリーズの中でも、アトピー肌に不足している細胞間脂質のセラミドや『皮膚のビタミン』といわれているビオチン配合のクリームを用いましょう。

※アトピー肌・敏感肌の方の中にはスキンケア商品に多く使われているアルコールに敏感な方もいらっしゃいます。そのような方はノンアルコールのスキンケア商品を選びましょう。

また、皮膚のご相談で多いのが「他のスキンケア商品があわなくてあれてしまった」というもの。ある程度分析出来る部分もありますので、遠慮なさらずご相談下さい。