妊娠期の症状②浮腫み
妊娠中には体の体液量が増えます。
これはとても自然なことで、赤ちゃんや胎盤を作るのに、血液量を多くするために体液全体が多くなるのです。
血液は血球数(赤血球・白血球 など)は急には増えませんが、潤いの部分がふえて、サラサラした状態になります。
体液量が増えると当然浮腫みやすくなります。重力によって水分が下に溜るので、足は浮腫みがちです。
漢方で何とかならないものか…と思うこともあるでしょう。
しかし、妊娠中の薬に用いるかどうか…は中国伝統医学の専門家でも意見のわかれるところです。
『他の手段でどうにかなる限り、我慢できる限り、妊娠中は漢方薬も含めてあらゆる薬は使わなければ使わないほど良い!』というのが私個人の意見です。
なので、今回もまず養生からお話しましょう。
◎◎ 妊娠期の浮腫みに対する養生 ◎◎
①浮腫みの原因となる、冷たい水・ジュースを控える。
:妊娠中に体を冷やすこと自体良くありません。また、冷たい飲み物の方が代謝をわるくして浮腫みやすいので要注意です。
②マッサージ
:足をやさしくよくマッサージしましょう。足首付近にはツボも沢山あります。妊娠期によいツボとそうでないツボがありますので、ぐりぐり押すのはやめて、さするようにマッサージしましょう。
お風呂で塩等を使ってもみこむようにマッサージが効果的ですが、こちらも妊娠域は普段よりも皮膚が敏感になっているので、必ず様子を見ながらにして下さい。
③食養生 : 浮腫み取りミネストローネ
セロリ、キュウリ、キノコ類、トマトなど浮腫みを取る(利尿作用)のある食材を使ったスープです。
キュウリをスープに?!と思われるかも…まったく違和感ありません!ズッキーニに近い食感です(キュウリはウリ科。ズッキーニはかぼちゃの仲間なので本当はちがいますが。)浮腫みを作用が期待できるので、キュウリなどウリ科のものはぜひ使ってほしいです!キノコも浮腫みをとりますので是非!
セロリ、キュウリ、キノコ、人参、玉ねぎ、ベーコン、あればハト麦(ヨクイニン:生薬としても薬膳にも使います、水で戻して使う)などもをそれぞれ1センチ角くらいに刻んでさっと炒め、水・コンソメを加えてで煮込み、あとはトマトの水煮を加えて完成です。
ミネストローネですから、基本的にどんな野菜でもあいます、冷蔵庫整理にもなります。
ペンネなどのパスタをゆでて加えてもいいですよ~。
◆ 妊娠中の浮腫みに用いる漢方薬 ◆
茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、白朮(びゃくじゅつ) など、利水の効果のある生薬の入った方剤を選びます。
茯苓、沢瀉、白朮などがはいっている方剤は
●柴苓湯
●当帰芍薬散 などです。
むくみの症状がひどい時のみ服用…をお勧めしています。