生理前のイライラ
PMS 月経前にイライラすることはありませんか?
月経前(約10日前~3日前)のイライラや胸の張りなどの不調は一般的にPMS(Premestrual syndromeの略:月経前緊張症)といって、わりと多くの女性にみれれる症状です。
しかし、
◎一般的に月経が始まれば辛い症状も軽減する症状である
◎辛い症状のでる期間が短い
等の理由で、ほおっておいている人も多いのが現状です。
はっきりいって、イライラなどは、本人もまわりも辛い!!
ご家族(ご主人)が、奥様のPMSのイライラの相談にいらっしゃったこともありました。
男性はわりと鈍感なようで(?)観察眼がすぐれています。生理前だと気づかれているかも…??!!)
予防養生の観点からもリフレッシュ!が一番なんですが、「それが出来れば苦労しない!」…おっしゃるとおり!!!
→その期間、上手に漢方薬を使って乗り切りましょう。
仕事や家事や家族のお世話などで、忙しい時も多いと思いますが、ご自分の体をいたわる事も忘れずに…。
中医学的にPMS:月経前症候群のイライラとは・・・
五行学説では・・・肝気鬱結(かんきうっけつ)といって、【肝】グループの不調です。
気血水の考え方では・・・【気】の流れが良くない状態。気滞(きたい)です。
気の流れを良くする漢方薬を用いましょう。
【肝グループ】は
①血液を貯蔵します。→月経前は全身の血液が子宮に集まっていて、体をめぐる血液が不足して、不調になりやすいです。
②気の流れを調節します。→この部分に不調が現れる事を肝気鬱結(かんきうっけつ)といいます。
気がのびやかでない状態です。
③「怒」の感情と関係が深い。→なので、イライラ、怒りっぽくなったりしがちなのです。
「怒」という漢字をバラバラにすると、奴(=奴隷)の心、ですよね。
厄介事を我慢し続けると、やっぱり精神的にも良くないと思います。本人の自覚がなくても、仕事や家事・家族のお世話等で我慢が続く時は、精神状態も崩れがちですのでご注意を。
④肝・胆系の経絡は脇の下・体側を通ります。→生理前に胸が張るのはこのためです。多少は問題ないですが、痛いくらい胸が張る・脇の下が痛いほどならば何らかの対処も必要です。
■■■気の流れを良くする漢方薬■■■
◆サイコ、キコク、モッコウ、コウブシ、
等の気の流れをよくする生薬の入った漢方薬(逍遥丸、加味逍遥散、四逆散 等)と、場合によって、そもそも血が不足することも大いに関係がありますから
◆トウキ、ジュクジオウ、シャクヤク、
などの血を補うとされる生薬の入った漢方(婦宝当帰膠、等)を組み合わせることが必要です。
具体的な方剤は、
○便秘体質かどうか
○ストレスがおなかにくるかどうか
等、他の症状や体質にもよります。もっとも適したものをチョイスしましょう。
■■■そのほかの養生法■■■
○穏やかに過ごす・・・
イライラしているのだから無理!なのですが・・・精神の修行だと思って「穏やかな人のフリ」だけでも心がけてみましょう。言葉遣いを丁寧にゆっくり話す・・・とかそういった事です。
○アロマテラピー・・・
PMSにはアロマも効果的。柑橘系アロマ(ベルガモット・グレープフルーツ、オレンジスィート、マンダリン)等。
○養生茶・・・
香りのあるお茶。肝グループの代表的なお茶は菊花茶ですが、カモミールもキク科なので、カモミールティーもおススメです。他に柑橘系のものや、ミントティーなども。
○早く寝る・・・
月経前で血が子宮に集まるので、自然と脳の血流も少なくなって、眠たくなります。眠たいのをがまんするとまたイライラしますし、血は夜作られます。たっぷり睡眠を心がけましょう。